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震災で葬送は変わるか

震災直後は生々しいので避けていた話題です。

2万7千人あまりの方が亡くなったり、行方不明になっている今回の震災、東北地方を中心に、家族・親族、仕事の同僚、友人・知人を亡くした方は、相当多数に上ると思われます。さらに、そうした大切な人を喪った人が身近にいる、という人を加えれば、もっと多くなります。

震災以後、そうした方たちに思いを馳せて心を痛めると同時に、震災は今後の日本の葬送のあり方に影響するのかどうか、またするとしたらどんな風に、といったことを考え続けています。

まず、弔いや葬送が重んじられるようになるであろうことは、容易に想像できます。「命の大切さ」といったありきたりの言葉ではくくれないほどのものを、多くの人が学び、感じたことでしょうから。不謹慎かもしれませんが、死生学の講義を何十時間も受けるより、今回の震災が日本人の死生観を揺さぶり、刺激したことと思います。

ただその結果として葬送がどのようになって行くのか、人々が葬送に何を求めるようになるのかは、明確に見通せません。もちろん個人差もあるでしょうし、被災地とそれ以外の地域で温度差というか落差が生じる可能性もあります。

ただ私の直感としては、人々の意識が高まると、既存の葬儀、既存のお墓に対する疑問の思いが強くなってくる可能性が高いと思います。結果的にそれが伝統回帰のようなものにつながる可能性はあると思いますが、いずれにしろ「東日本大震災のあと、長い目で見ると日本人の葬送のあり方が変わった」という風になる可能性は大きいと見ています。

どんな風に変わるのか。このブログ等でも注視していくつもりです。


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