生きることは「かたじけない」
「一人の命は地球より重い」というのを文字通り信じている人はさすがにいないことと思います。 けれどそれに近い生命尊重思想みたいなものを持っている人は、かなりの割合に上るのではないでしょうか。 でも、人は生きているだけで尊いとか、人は何としてでも生きる「権利」がある、などと言われると私は大いに首を傾げてしまいます。というより、そもそも私の生きる姿勢とは相反する考え方です。...
View Article「医者の死生観」を読んで
2月に発売された「医者の死生観」という本をすぐに買って読んでみました。 年齢も診療科目もいろいろな「名医」20人ほどに、死や医療についてインタビューしたものをまとめた本です。...
View Articleスピリチュアルと死生観
人は死ぬとどうなるのか。 これについて漠然とでも答えられない限り、死生観があるとは言えないでしょう。もちろん「人が死ねば無だ。何も残らん!」というのも一つの立派な考えですが。...
View Article生前準備を普及させるには
日々私が考え続けているテーマです。 多くの人は頭では「生前準備はした方が良い」と理解していても、なかなか実行が伴わない。それはなぜか。またどうすれば、そのギャップを解消できるのか。 私が生きている間に「解消した」と言いきれるところまで行くとは考えづらいので、一生をかけて追求するテーマとなることでしょう。...
View Article死生観のミゾ
先日ある医師がTwitterで、終末期にある身内が死につつあるのを受け入れられず医療者に理不尽な要求をする家族が増えている、といったことをつぶやいていました。 私は医療者ではありませんが、さもありなんだなぁ、問題だよなぁ、と受け止めました。意外だったのは、この医師のツイートに対して反発する一般人が殊の外多かったことです。そんな冷たいこと言ってほしくない、ということのようです。...
View Article日本でも「デスカフェ」を広めたい!
今週号のニューズウィーク日本版が「終活」を特集していたので、読んでみました。 生前整理、リバースモーゲージ、デジタル遺産、デスカフェ、バーチャル・アバターなどなかなか多彩な特集となっています。当初dマガジンで読んだのですが、保存しておきたいので改めてkoboででも電子版を買っておくつもりです。...
View Article日本人の死生観を変えるには
いつも楽しみにしているダイヤモンド・オンラインの連載「医療・介護 大転換」が更新されました。 老衰死が統計でも増えているのが確認できるが、実態はもっと多いのではないか。そんなことをめぐっていろいろ検証したあとでこんな一節が。 「老衰死」の実数は統計より多い、死亡診断書“書き換え”のトリック | 医療・介護 大転換 | ダイヤモンド・オンライン...
View Article病院死という「偏見」
医師や看護師が語る死生観、みたいなのは日頃から強く興味を持って読んだり観たりしています。 個人的には、学者や僧侶、あと作家など臨床の現場を知らない人に比べると、ずっと参考になる内容が多いですよね。葬祭業者や遺品整理業者の人からも、玉石混淆とはいえ驚くほど深い話が聴けることがあります。...
View Article医療の進歩は福音か
遺伝子を解析したり操作する技術が発達することで、この数十年のうちに医療が劇的に進歩することが見込まれています。 これまでだったら不治の病だったものがどんどん克服されていくかもしれませんし、それに伴いヒトの寿命が大幅に延びるかもしれません。場合によっては200歳とかそれ以上に・・・。...
View Article医療のことは言ってみれば枝葉末節
先月放送されたNHKスペシャル「命の終わりと向き合うとき」を一足遅れで観ました。 最近、NHKはEテレなどで死についての恐怖をあおるようなおどろおどろしい番組を相次いで出していました。今回のNHKスペシャルもそうした路線なのかと懸念していましたが、杞憂でしたね。...
View Articleハッシュタグ「 #死について考えよう」を運用開始
この度、Twitterで「#死について考えよう」というハッシュタグを使い始めることにしました。 従来から死に関する考察をつぶやくことは多かったのですが、それをまとめて見られるようにするための取り組みです。またゆくゆくは、他の人にもこのハッシュタグを使ってもらい、同様の問題関心を持つ人同士がつながる「場」になればいいな、なんてことも考えています。...
View Articleスピリチュアルと死生観
はっきりしたことはわかりませんが、近代的な価値観とりわけ自然科学の知見に触れる前の日本人には「自然を畏れる」「天を畏れる」という姿勢があったはずです。 科学とそれを応用したテクノロジーが人類の生活にもたらした恩恵は凄まじく、今さらそれ無しでやっていこう、というのは絵空事に過ぎません。もう後戻りはできないのです。...
View Article樹木希林という「教祖」
去年9月に樹木希林さんが亡くなって、8ヶ月ほど経ちました。 死後も彼女の言葉を集めた書籍が何冊も出ており、中にはベストセラーになったものも。彼女の生き様、そして考え方が多くの人の共感を集めている、ということなのでしょう。 「理想の最期」を体現した樹木希林さん 30代で語った死生観とは : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)...
View Article命を軽んじる思想
タイトルを見てギョッとした人も多いのではないでしょうか。 別に逆説とか反語というわけではなく、私は本当にそれが望ましいと考えています。もちろん、他人に強要することはできませんが。...
View Articleキャンサーギフトという「贈り物」
がんになった人が時折「がんになってみて悪いことばかりじゃなかった(良いこともないわけではなかった)」といった感慨を漏らしていることがあります。 がんになったこと自体は喜べませんよね。それでも、病を抱えていることで見えたこと、そうでなければ味わえなかったような体験、出会わなかったような人に出会った、といったことがあるようなのです。 海外ではキャンサーギフトなどと言ったりもするようです。...
View Article死がどんどん遠ざかる
平均寿命が延びて、長生きできるようになったこと自体は喜ぶべきことと言えるでしょう。 けれどその結果、人々が老いや死というものから目を背ける傾向が強まっているような気がしてなりません。おのれにもいつか必ず訪れるのに、それを認めようとせずできるだけ抗おうとするような。...
View Article在宅看取りと日本人の死生観
「自宅で最期を迎えたい」と望んでいる人は多いのに、必ずしもそれが叶っていない。日本の課題の一つです。 端から諦めてしまっている人もいるでしょうから、実際には「(可能なら)できるだけ家で療養したい」という人はかなりの割合に上るはずです。...
View Articleいのちの大切さ?
広島・長崎の原爆の日から終戦記念日にかけてのこの時期、メディアには戦争についての語りがあふれます。そこで繰り返されるセリフが「いのちを大切に」といったものです。 確かにいのちを軽んじるような世の中は、誰しもまっぴらだと思うことでしょう。その限りでは、反対する人は誰もいないはず。けれどそのお題目をひたすら唱えていればそれが実現するのかどうか。甚だ疑問です。...
View Article死生観と信仰
日本における死生学の言説に多大な足跡を残したアルフォンス・デーケンさんが先日、88歳で亡くなりました。 私も書棚にデーケンさんの著作を2冊ほど備えており、影響を受けた者の一人です。ただ世代、そして生きてきた時代が違うのはもちろんとして、彼の心にはキリスト教への信心が常にあったことを思うと、「デーケンさんの考えを全部は理解できていないよな」という気がするのも事実です。...
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